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ご入園希望の保護者様へ(方針)

こんにちは。


遊ぼ代表の勝田潔です。

この度は「クリエイティブプレスクール 覚王山」のご案内をご覧いただきましてありがとうございます。

 

当プレスクールは「和久洋三のわくわく創造アトリエ」の活動プログラムによる初めてのプレスクールとして2013年4月に開設され、5年後の2018年4月に「WAKU-METHOD(和久メソッド)」公認となりました。

プレスクールを開設する以前から、遊ぼではすでに「和久洋三のわくわく創造アトリエ覚王山プレイルーム」を19年間運営して参りました。
設立当初から「わくわく創造アトリエ」には親子クラスがありました。1歳半から3歳のお子さんと保護者様の同伴によって現在も活動を行なっています。
ではなぜ私たちがプレスクールを開設したのか。その理由をお伝えしたいと思います。

生まれてまだ1年ほどの小さな子どもにとって、物事や人、すなわち外界を正しく認知できるようになることはとても大切です。さらには自分の心を素直に開いて、物事に対しては旺盛な好奇心を発揮して関わり、人に対しては親しみを持って交流できるようになることも同じく重要です。


それには周りの大人のサポートが絶対的に必要となります。そして近年までは、そのほとんどがご家庭での教育に委ねられてきました。

しかし「わくわく創造アトリエ」を開設してから5年10年と時を経るうちに、アトリエで私のイメージする教育的な効果が徐々に得られにくくなっていると感じ始めました。お子さんの精神的な状態や活動意欲の個人差が大きくなってきたのです。

一方で、私も2児(現在大学2年生と小学5年生)の父親として20年間子育てに関わってきました。その間、子どもだけでなく親も含めて、人間としての本質的な成長とは何か、何が幸せと言えるのかということについて、探究の余地がたくさんあることにも気づかされました。

そうしてしだいに、時代とともに変化する人の意識や環境に合わせて、保護者様との連携を密にしつつ、さらに子どもと深く関わりたいという意識が強くなってきました。

そこで、まずは大人側の環境設定すなわち、子どもとの関わり方と童具(おもちゃ)環境の一貫性を持たせ、かつ日常に近い形で子どもを受け入れる必要があると考えました。それによって、個々の子どもの本質的な成長が安定的にじっくりと観察でき、適切なサポートが可能になると思われたからです。

その一つの具体策として、保護者様からお子様をお預かりして活動を行うプレスクール形式の場が生まれました。
民間の「プレスクール」または「プリスクール(preschool)」というと、日本では英語教育によるものが一般的です。しかし当プレスクールでは英語を教えるプログラムは一切ありません。その理由についてもお伝えしたいと思います。

「創造共育法(WAKU-METHOD)」においては、子どもが自己と世界を深く認識(思考)し、創造性を発揮するための手段として、“形あるモノ”と“創造活動”が必須であるとしています。

言語=言葉は“形あるモノ”ではありません。

子どもは言葉を使う前の段階からすでに思考を始めています。対象を認識し、関わりながら思考します。生れて間もない赤ちゃんがじっと自分の手を見つめたり舐めたりする姿は、「考える人」のイメージそのものです。


五感によって確かめられる“形あるモノ”と“活動”は、言葉よりも先に子どもの思考を促すのです。

同時に、認識を深くする手助けになるのも言葉です。
自ら掴んだ経験を言葉によって概念化し、「分かったこと」にしておけます。


しかし言葉はあくまでも思考するための「ツール(道具)・手段」の1つですから、子どもが「考えること」に割くエネルギーと言葉を獲得するエネルギーのバランスを考える必要があります。

私は子どもが「考えることのできること」は日常生活にいくらでもあると思います。言語化、概念化する以前に蓄える経験が多いほど、その後獲得する言葉の豊かさや思考の深さにつながっていくからです。

早い話、子どもには本来、母国語以外の言葉を覚える暇など無いくらいの生活をして欲しいと私は思っています。


「英語脳」を作るのは早ければ早いほど良い、という考え方そのものには全く異論はありませんが、人が人足り得るのは、「考える」ことができるからです。
ですので、「英語脳」よりも「考える脳」を大切にしたいと考え、当プレスクールでは英語教育は行なっていません。

ちなみに、私の長女は現在アメリカの大学に留学中ですが、幼稚園、小学校の間に英語教育を専門に受けたことは一切無く、海外留学を目指して自発的に英語を学び始めたのは中学3年生になってからのことでした。やりたいことをとことんやり、その情熱を土台とした学習によって、海外で学ぶために必要な英語力を身につけることができました。
小学5年生の次女にも、好きなことのために海外で学んで欲しいという気持ちはありますが、小学校以外での英語教育は受けさせていません。しかし今後、仮に彼女がフランスに行くために自ら学びたいと願ったなら、フランス語を専門に学ばせることはあるかもしれません。

もう一つ学びに関して重要なことがあります。それは感性を豊かにすることと、言葉や知識を覚えることにもバランスあるということです。

当プレスクールでは「知育」という用語は使っていません。


「知性が感性を駆逐する」と私は表現しますが、“りんご”を“apple”と覚えること、さらには“りんご=赤(red)”という認識を定着させることを目的にしてしまうと、“りんご”を見て感じた後に想起される無数のイメージが拡がりにくくなってしまいます。


それは、明確に捉えどころのない感性が発揮される前に、客観的で安心できる合理性(知性)を心が先に働かせてしまうからではないかと思われます。

感性は、自分らしい人生を創るため、本当にやりたいことを見つけるための大切な価値判断基準となります。人生においては、知性や合理性では片付けられない重要な選択を迫られる場面が必ず現れ、最後はその人の感性によってしか答えが見つからないことがあります。

しかし、母国語以外の言葉や知識を覚えることに意識を向けすぎると、肝心な自分の感性に基づく好き嫌いや本当にやりたいことなどの“本心”が見えなくなってしまう危険性があるのです。


そして感性の教育は、答えが一つではない表現活動が最も効果的です。


これが当プレスクールにおいて英語教育や知育を行わない理由であり、科学的探究と芸術表現を組み合わせた「創造共育法(WAKU-METHOD)」を取り入れた理由でもあります。

そして最後に、最も大切なことをお伝えしたいと思います。

先にも少し触れましたが、子どもが成長するためには、保護者(大人)自身の成長も深く関わってきます。
私たち保護者は子どもを授かるまで、ほぼ自分の人生のために知識を獲得し、経験を積んできました。
しかしよく語られるように、子どもは親(保護者)の「所有物」ではありません。
私たちの知識や経験は子どもの有益な教育資源となり得るものですが、それを使う理由が、やはりまた自分のため(自我=エゴ)なのか、人格を持った小さな「人」に対する尊重の念から生まれた「愛」なのか、ということを常に自省することが必要だと私は考えています。

自分よりも大切な存在になる我が子に対して、初めて感じる「自我」と「他我」の葛藤。それを乗り越える意志があって初めて、親子共に創造的な成長の糸口が見えてくると思います。

これまでの教育は、子どものためというよりも、社会(大人)を守るため、既製社会の仕組みに合わせるための教育でした。結局は大人のエゴだったのです。

そして今更ながら、日本は「自分で自分を守るため」の教育へといきなり舵を切った、というのが現実だと私は思います。このことを受け入れて、私たち大人はまた新たに成長する覚悟を持つ必要があるのではないでしょうか。

その実践として、当プレスクールでは年1回(2日間)のお母様向けセミナー(懇談会)を実施しております。担当は勝田彩愛です。プレスクール開設から8年間、お母様の子育て案件(怒りのコントロール、自由としつけの区別など)やお母様自身のライフワークバランスなどについてのお悩みを共有させていただきながら、各ご家庭の教育方針をつくるお手伝いをさせていただいております。


セミナーの日程は改めてのご案内となりますが、当プレスクールでも貴重なお母様との時間になりますので、ご入会の際には万象お繰り合わせの上ご参加をお願いいたします(ご参加が難しい場合には個別ご相談ください)。

以上、長々と述べて参りましたが、当プレスクールでは、保護者様との価値観の共有を最も大切にしております。

現代では生き方に対する価値観が多様化しています。

しかし絶対と言い切れるものはないとしても、各ご家庭で軸にすべき明確な価値観を持つ必要があるのではないでしょうか。そうでなければ、多様な価値観の1つにさえならず、成り行き任せ、他人任せの子育てになってしまいます。

もしもここまでお読みいただいて、あなたの子育ての価値観と共鳴しそうだと感じていただけましたら、私たちのサポートは100パーセント以上の結果を生み出せると確信しています。
ぜひ「創造共育」の世界へご参加ください。お待ちしております。

 

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